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がんになると体重減少が始まる~その理由とは~

体重減少が起こる確率

痩せた女性

がんで亡くなるがん患者のうち、3/2以上の人は体重減少がみられます。がんの種類によって体重減少の程度は異なるようです。

なかでも乳がんや急性骨髄白血病、非ホジキン悪性リンパ腫、肉腫の患者には2/3は体重減少。そして、肺がん、前立腺がん、大腸がん患者は、診断の時点で半分程度の患者に体重減少が見られます。

膵がん患者は診断の時点で80%以上の人が痩せているようです

がんになるとなぜ体重減少が起こる?

がんになると痩せるというイメージがあるかと思います。痩せる原因には、一言で終わらないほど様々な原因が重なり合っているのです。ここでは痩せる原因を探っていきましょう。

食事を摂取できなくなる

◆胃の不快感や体調不良などで食べられない

がんの代表的な初期症状として、食道や胃に不快感が挙げられます。それに加え、倦怠感や体調不良の症状も出始めるので食欲が湧かなくなるのです。

また、いつもと同じ食事量を食べているという場合でも、消化吸収が不十分という可能性もあります。

◆精神的なストレスで食べられない

自分はがんだと知ると、誰でも大きいショックを受けます。このような精神的なショックが原因でうつ状態になると、食欲が出ずに痩せてしまうのです。

また、がんの痛みが強くなるのも大きなストレスとなり、食欲減退へと繋がってしまいます。

◆味覚の変化で食べられない

がん発症の影響で、以前は好きだった味がわからない、あるいは金属のような苦味を感じるといった場合があります。魚、鶏、肉など、たんぱく質や鉄分を豊富に含んだ食物に、こうした傾向がより多くみられます。結果食欲不振から、身体に摂取が必要な栄養素の不足が生じ、痩せてしまうリスクが高まるようです。[注1]

◆治療の副作用で食べられない

がんの治療が始まると、副作用が大きく出てしまうことも。吐き気や食欲不振があると、食事をするのが難しくなります。

たとえば、胃の粘膜に刺激を与える、胃液の分泌を妨げるなどの抗がん剤による副作用から食欲が減退し、体重が減少するケースがみられます。

また、放射線治療が胃の内壁細胞にダメージを与えてしまい、胃の正常な運動に障害を生じさせることから、食事をすることが辛くなり、体重減少に繋がる場合もあります。

◆がん細胞の増殖によって食べられない

がん細胞が増えると、胃や食道、大腸などの消化吸収が圧迫されることがあります。すると食べたものが消化器官を通りにくくなり、食べる量が減ってしまうのです。がん細胞が増えると、痛みを伴うので食事を摂るのが困難になります。

悪液質の影響

がん患者は病状が進むと体重が減少し、足やお腹にむくみが出てきます。さらに体の中では、免疫力の低下や薬物代謝が下がってきます。

精神的には無気力になり、脱力感を抱くようになるのです。これらのような症状を「悪液質」と言います。

悪液質って何?

そもそも悪液質とは何なのでしょうか。ここでは、悪液質が引き起こす症状や、悪液質になる原因をお教えします。

悪液質とは

がんを発症すると、がん特有の痩せ方をします。ゲッソリとしたような病的な痩せ方をし、周囲が見ても明らかにおかしいと感じるでしょう。

がんは症状が進むと、体重減少の他に消耗状態、低栄養も進行し、心は弱り切ってしまい日常での活動も減ってしまいます。これらのような状態が悪液質です。胃がんや膵臓がんの患者に多く、脂肪細胞と筋肉細胞の減少が同時に起こります。

診断基準そのものは明確に定められてはいませんが、通常の飢餓による体重減少の場合に維持される筋肉量が、悪液質では減少するといった特徴がみられるようです。

また、悪液質の発生率は進行がん患者の最大80%に上るとされ、発生頻度はがんの種類によって異なるといわれています。ちなみに胃がん、食堂がん、肺がん、膵がんなどは発生頻度が高いとされています。[注2]

悪液質が起こる原因

がんが大きくなると、炎症性サイトカインという異常なシグナルが増えます。

サイトカインとは細胞が分泌する生理活性物質で、免疫グロブリン以外の物質の総称で、たんぱく質、あるいは糖たんぱく質でできています。生体の細胞間の連絡や作用に関与し、同じサイトカインでも、標的となる細胞によって、役割を担う機能が異なるのが特徴です。

なお、サイトカインとして広く知られるものには、ウイルス感染の阻止作用をもつ糖たんぱく質のインターフェロン、免疫応答の調節のために分泌されるペプチド・たんぱく質の総称のインターロキシンがあげられます。[注3]

サイトカインはがん細胞に抵抗するための情報を伝達しており、これが大量生産されると、体の筋肉や脂肪が分解され必要なたんぱく質が作られなくなるのです。

筋肉と脂肪が分解されると自然と筋力は衰えていくので悪液質になります。

がんによる体重減少の目安

ダイエットや運動をせずに、いつもと変わらない生活をしているのに、急に体重が減っていく場合は注意が必要です。目安として1、2か月でマイナス5㎏~8㎏となっているので、自覚症状としても分かりやすいでしょう。

ズボンのウエストがブカブカになった、洋服のサイズが合わなくなったなどと感じると、周囲からも痩せた?と声をかけられることが増えてきます。

割合で言うと、1、2か月で10%~15%も体重が減っている人はがんなど何かしらの病気の可能性が高いので、早めに病院を受診するようにしましょう。

こんな症状にも要注意

がんの初期症状では、体重減少の他にも身体に異常が現れます。今からお教えする症状に当てはまる方は、がんの可能性が高いので早めに検査を受けましょう。

便の状態が異常

下痢が長く続いたり、頑固な便秘が長期間続いたりする場合、大腸に何かしらの異常があるシグナルかもしれません。下痢や便秘を解消しようと薬と飲んでも効果が出ず、症状が回復しない場合には注意が必要です。

便の色で言うと、黒色の便は十二指腸や胃のがん、赤紫から暗紫色は大腸がん、鮮血の下血がみられると肛門に近い直腸がんの可能性があります。どれも痔の症状に似ているので見過ごされることがあります。このような症状が続いて、体重が減ってきた場合は詳しく調べるようにしましょう。

貧血

貧血は通常でもよく起こることなので、がんだと判断するには難しいです。めまい、ふらつき、息切れ、だるいなどが長期間続く場合は、医療機関へ行って血液検査をしてもらいましょう。がんの場合は、血液中のヘモグロビン値が急激に低下します。

身体の特定の部位の痛みや違和感

背中やみぞおちが痛む、もしくは不快感がある、上腹部に硬いしこりがある、お腹に張りがある、手のひらに赤みがあるなどの場合、肝がんの初期症状の可能性が見過ごせません。これらいずれかの自覚症状に加え、食欲減退、体重の減少があれば、速やかに検診を受けられることをおすすめします。

また、以前と比較して息切れしやすくなった、乾いた咳が続く、胸のあたりに痛みを感じる場合、肺がんの初期症状が疑われます。咳と一緒に血痰や血が出る場合には、肺結核の可能性も視野に入れ、一刻も早い医療機関での検診が欠かせません。

また、乳がんを早期発見するためには、セルフチェックが有効です。鏡を見ながら両腕を上げたり下げたりしてひきつれなどが起きないか見る、仰向けになり指の腹で軽く押しながら硬い部分がないか探す、乳首をつまんだときに分泌液が出ないかどうか見るなどの確認をしましょう。 [注4]

癌以外で体重減少を伴う主な病気は?

体重の減少につながる病気はがんだけではありません。体を動かすようになったり食事を減らした、など体重が減った理由に対して心当たりがない場合には、がんではなくてもなんらかの病気などが発生している可能性も考えられます

主に体重が低下することが考えられるのは、食欲がなくなったり体のエネルギー消費に異常がでるような病気です。例えば下記のような病気があり、それぞれの体重減少となる原因も合わせて解説します。

神経性食欲不振症(拒食症)

拒食症

神経性食欲不振症は10代の女性に多くみられる、様々な原因により精神的に影響がでて食事をとらなくなってしまう病気です。

食欲がでないのではなく、肥満に対しての恐怖が発生したり今よりも痩せなければいけないと、自分から食事をとらなくなる症状であるために体重の減少につながります。[注5]

こうした食事を拒否するという特徴からついている別名が拒食症です。極端な体重の減少度合いとして元々あった体重の2割以上が減るケースが多く、また月経が来なくなる例もあります。[注6]

他にも気分障害や不安障害、栄養不足によって成長へ影響がでるなどの症状も合わせて発症することも多い病気です。

糖尿病

一見肥満のイメージがある糖尿病。実は発症することで体重が減る症状がでます。糖尿病は血液中の糖の濃度が高くなる病気ですが、その原因としては血液中の糖を体を動かすエネルギーに変えるインスリンという物質が、体でつくられなくなったりうまく働かなくなるためです。

糖尿病が進行していくと尿の回数が増える、のどが乾いて水分を多く摂るようになる、体重が減るといった症状がでます。[注7]

糖をエネルギーに変えられないと体を動かすことができなくなってしまうので、その場合人間の体は糖以外のエネルギー源であるたんぱく質や脂肪をエネルギーにするようになっており、そのため体重が減少するのです。

また尿の回数が増えるのは血液中の糖の濃度をコントロールし、糖を体の外に排出しようとするためで、尿に糖が含まれることからこの糖尿病という名前がついています。尿をだす際に水分を消費するので、水分が不足してのどが乾くといった症状もでるのです

バセドウ病、甲状腺機能亢進症

バセドウ病は体重減少の他にのどにある甲状腺が腫れたり、脈が速くなったり目が通常よりも飛び出るといった症状がでる病気です。甲状腺でつくられているホルモンは血液を通して全身の神経、細胞や臓器などに運ばれて古いものから新しいものに入れ替える機能をもっています。

本来自分のものである甲状腺を異物と誤認識し、攻撃してしまうために発症するとされています。甲状腺を攻撃するために甲状腺ホルモンが活発になり、通常よりたくさんつくられるようになる状態を甲状腺機能亢進症と呼び、その原因の9割がパセドウ病です。[注8]

過剰につくられた甲状腺ホルモンが全身にまわってしまい、体全体の細胞などが入れ替わる際にエネルギーを使用するため、体重減少につながります。

慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍

慢性胃炎は食べ物を消化する胃の粘膜が赤く腫れたり痛みや熱が発し、それが急激な症状ではなくとも長く続いている状態のことをいいます。赤みや腫れから進行して悪化し粘膜を突き抜けている状態が潰瘍です。

それぞれの発症する場所で、胃潰瘍、十二指腸潰瘍という症状にわけられます。食べ物を消化する胃や腸に問題が発生しているために食欲がなくなってしまい、体重が減少するという状況につながるのです。粘膜に炎症を起こす原因の多くはピロリ菌という細菌であるとされ、他にもストレスがたまることで胃の動きに影響があり、慢性胃炎の発症となる要因につながるとも考えられています。[注9]

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜がただれたりやぶれてしまったりと悪化している状態です。粘膜に影響がでてしまう大元の原因は不明で未だ解明されていませんが、体を守る機能に異常が発生し大腸の粘膜を攻撃していることが理由とされています。

お腹の痛みや下痢、食欲がなくなる、体重減少という症状がでますが、なぜ体重減少となるのかの原因も不明となっています。その重症度具合から4段階にわかれ、重症の場合には手術が必要となるケースもあるのです。

状況がおさまったり悪化したりを繰り返すため長期的な治療となることが多く、約2割近くが診断後に数年症状が続くとされています。[注10]

体重減少を防ぐためにはどうするべき?

がんやその他の病気によって体重が減少しないように現状の維持をする上で重要なことは、早い段階で体力や体重を落とさないような食事管理ですが、管理について考えてばかりいるとストレスが増えてしまうかもしれません。

食事自体を楽しく、美味しく感じられるようにすることで緩和につながるでしょう。 また食事ももちろんですが、がんという病気自体の早期発見や治療を進めていくことも大切です。

日々体重が減っていくことに不安をもっていたり、過去にがんを患っていたことがあって再発を疑っている方は、早めに病院で診察を受けるようにしましょう。その際に選ぶクリニックも重要で、がんの早期発見や初期治療を得意としているクリニックを見つけることで今後の生活も大きく変わります。

[注1]ファイザー株式会社:がんを学ぶ 食欲不振などに対する解決策

[注2]一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会:がん悪液質:機序と治療の進歩[pdf]

[注3]研究.net:研究用語辞典 サイトカイン

[注4]厚生労働省:乳がんになりやすい人ってどんな人?[pdf]

[注5]一般社団法人日本内分泌学会:神経性食思不振症

[注6]一般社団法人日本心身医学会:神経性食欲不振症の臨床像に関する集計的研究[pdf]

[注7]一般社団法人 日本糖尿病学会:糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告[pdf]

[注8]日本臨床検査医学会:甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症[pdf]

[注9]日本消化器病学会:ストレスと胃腸の病気

[注10]一般社団法人 日本内科学会:炎症性腸疾患:診断と治療の進歩[pdf]

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