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卵巣がん

出産の経験をしていない人やお酒をよく飲む女性が発症しやすいと言われている卵巣がん。

発生する確率は40代から増えはじめ、閉経後の50歳代~60歳代でピークになります。しかし、若い人でもかかる可能性はあり、早ければ10代でかかってしまうことも。卵巣がんは、はっきりとした原因がわかっておらず、初期症状で見つけるのが困難だと言われてる厄介な病気です。

初期段階での症状の特徴

卵巣がんは、がん細胞が良性・悪性の場合でも初期症状はないと言われてます。

なかには、太ったと感じたり腹部に張りを感じたりする人がいるようですが、生理以外の不正出血が少ないため、気付きにくいようです。そのため、早期発見が難しく、進行してから見つかる場合がほとんどです。以下のような症状を感じたら、早めに受診しましょう。

  • 生理以外で不正出血がある
  • おりものの量が増えた
  • 下腹部にしこりや違和感がある
  • お腹に張りを感じる
  • ガスが溜まりやすい
  • 便通に異常がある

卵巣がんの進行速度とステージ分類

卵巣がんは、症状が進行してからでないと発見されることが少ないとても厄介な病気です。

発生場所によって進行スピードが異なり、約半数を占める上皮性の「漿液性腺(しょうえきせいせん)がん」は、進行速度が非常に早いがんです。

発見されたときにはステージⅢ~Ⅳになっていることがほとんどで、リンパ節に転移しやすいのも特徴です。

進行速度が遅いものには、「類内膜腺(るいないまくせん)がん」と「粘液性腺(ねんえきせいせん)がん」があります。卵巣がんの約1割を占めるタイプで、ステージⅠで発見される確率が高くなります。

卵巣がんのステージ分類方法は、「両側の卵巣に病気が及んでいるか」「お腹の中にがんが散らばっているか」「リンパ節転移や他の遠隔臓器への転移の有無」によって分けられます。

以下、初期とされるステージⅠからステージⅡまでの分類基準をまとめました。

ステージⅠ:がんが卵巣の片側もしくは両側だけにとどまっている状態

  • Ⅰa期…がんが片側の卵巣だけにある状態
  • Ⅰb期…両側の卵巣にがんがある状態
  • Ⅰc期…がんが片側もしくは両側の卵巣にあり、それにより被膜(外層)が破裂している場合、またはお腹から採取した液体、腹膜を洗った洗浄液からがんが見つかった場合

ステージⅡ期:がんが卵管、子宮、直腸、膀胱などの腹膜に進行している状態

  • Ⅱa期…がんが子宮、卵管のどちらかもしくは両方に転移している場合
  • Ⅱb期…骨盤の中にあるそのほかの臓器にまで広がっている状態
  • Ⅱc期…腹腔から採取した液体、膜を洗った洗浄液からがんが見つかり、子宮や卵管、骨盤内などの臓器に広がっている状態

卵巣がんのステージⅠ・Ⅱでの治療後の生存率

卵巣がんのステージⅠとステージⅡの治療後の5年生存率を調べてみました。最も早期であるⅠa期では、まだ片側にしか発生していないため、完治率は100%に近いと言われています。

ステージⅠ…手術後の5年生存率は87.4 %

ステージⅡ…手術後の5年生存率は66.4 %

卵巣がんの治療法を詳しく解説

診察

卵巣がんの治療は病期や年齢、妊娠の有無など、患者さんの状態によって変わります。また進行具合に関わらず心と体の苦痛を和らげるための緩和ケアも同時に行なわれるのが特徴です。

ステージⅠ・Ⅱの場合は、卵巣・卵管・子宮などにあるがんを切除する目的で外科的手術が行なわれます。直腸まで達している場合は直腸も含めて切除。手術後は抗がん剤治療を行い、再発防止につとめるのが一般的です。

以下に卵巣がんの標準的な治療法についてまとめてみました。

外科的手術

卵巣がんの治療において現在最もオーソドックスな方法とされているのが外科的手術です。

特にがん細胞の転移が見られなかったり、一部に留まっていたりする初期から中期のものに関しては非常に有効な治療法であるとされています。

卵巣がんの摘出手術の場合、症状がやや重い場合には子宮の全摘出が行われることもありますが、そうでない場合には卵巣の部分的切除やその卵巣に隣接しているリンパ節の切除などで済む場合もあります。

こうした部分的切除の場合、手術後も妊娠する機能を維持するといったことが可能になる場合も少なくはありません。

また進行性のがんの場合、摘出手術と併せて抗がん剤による治療が行われる場合もあります。

この治療法におけるデメリットとしては、第一に合併症として女性ホルモンが減少することによって更年期障害のような状態になること、第二に性機能が失われてしまうということ、第三にリンパ節を切除した場合リンパ浮腫を引き起こす可能性があることなどが挙げられます。

また卵巣がんにかぎらずさまざまな種類のがんの摘出手術に共通するリスクとしては手術中にメスに付着したがん細胞が他の場所に付着し転移を引き起こす可能性があること、

手術後に免疫機能が低下をすることで新しいがんやさまざまな感染症などを引き起こす可能性があることなどが挙げられます。

抗がん剤による化学療法

現在のがん治療において外科的手術と並んで最もオーソドックスな治療法とされているのが抗がん剤治療(化学療法)です。

特に卵巣がんの場合には発見された段階で比較的進行をしてしまっているという場合が多く、そのため手術によって腫瘍を取り除く場合でもそれと並行して抗がん剤による治療を行うというのが一般的となっています。

抗がん剤治療では一時的に腫瘍を小さくすることが可能となるのですが、特に高齢者や合併症のある人の場合には手術の負担に身体が耐えられない場合が考えられるため、まず抗がん剤を投与しそれによってある程度の効果が見られた後手術を行うということが多くあります。

ただしその一方で、抗がん剤による身体への負担もまたかなり大きくなる可能性があるというのも事実です。

特に腎臓や肝臓への負担は大きく、がんの症状と抗がん剤の副作用との両方によって苦しんでいるという患者さんも少なくはありません。

放射線療法

放射線治療

がんの治療法としては放射線療法もまた非常にオーソドックスな方法の一つとされます。

ただし卵巣がんの場合、放射線による治療はそれほど大きな効果が得られないということが分かってきており、またそれと同時により有効に作用する抗がん剤が登場してきたということもあって現在ではあまり行われなくなってきている傾向があります。

その一方で卵巣がんの場合であってもがんが再発した場合の疼痛を緩和したり出血を抑えたりするなど補助的な治療法として放射線療法が用いられる場合はあります。

また卵巣がんは脳に転移する場合が少なくないとされるのですが、この脳への転移が認められた場合には腫瘍を小さくするなどの目的で放射線治療が行われることが一般的です。

放射線療法の副作用としては被曝をすることによる放射線障害や該当箇所やその周辺での細胞の壊死現象などが挙げられます。

免疫細胞療法

免疫細胞療法は自己の免疫機能を活性化させることによってがん細胞の増殖を抑えたりあるいは死滅させたりすることを目的とした治療法です。

その大きなメリットとしては抗がん剤などに比べ、副作用による身体への負担が圧倒的に小さいことが挙げられます。

特に卵巣がんの場合、初期の段階では自覚症状がほとんど無く、そのため発見された段階ですでに進行をしてしまっているというケースが少なくありません。そういった場合、抗がん剤を使用するとしても大量に投与をしなければ効果が見込めず、その副作用も非常に大きくなってしまうといったことが予測されます。

そのため投与する抗がん剤の量を減らしていくということを目的として補助的な治療法として免疫細胞療法が行われるということが多くあります。

ただし免疫細胞療法はそれによってがん細胞が死滅したというケースもなくはないものの、この方法だけでがんを完治させることは難しいということも確かです。

陽子線治療

陽子線治療とは陽子を非常に早いスピードでピンポイントに該当箇所に照射することにより、その箇所のがん細胞を死滅させることを目的とした治療法です。

従来のX線などを使った治療法の場合、比較的広範囲に照射することでがん細胞周辺の正常な細胞まで殺してしまうといった副作用があったのですが、この陽子線治療の場合はピンポイントでがん細胞のみを死滅させることができ、その他の副作用もほとんどないというメリットがあります。

ただし現在のところこの陽子線治療を行っている医療機関は非常に少なく、また保険適用外であるため費用負担も非常に大きいというデメリットもあります。

重粒子線治療

重粒子線治療は卵巣など身体の深い部分に存在するがん細胞に対して大きな効果をもたらすことが期待されている治療法です。

重粒子線治療は陽子線治療と同じくピンポイントでがん細胞を死滅させるため被曝による副作用が無く、また陽子線よりも2倍~3倍の高い殺傷能力を有しているというメリットもあります。またそれ以外のさまざまな副作用も無く比較的安全な治療法として今後のさらなる活用が期待されてもいます。

ただしこちらの重粒子線治療に関しても治療を行っている医療機関は国内ではごく数カ所のみ、また保険適用外であるため非常に大きな費用負担が必要になってしまうなどのデメリットが存在します。

遺伝子治療

近年新しいがんの治療法として注目をされつつあるのが遺伝子治療です。

卵巣がんの場合、遺伝子治療を行うことによって早期のものに関しては手術や抗がん剤など身体への負担が大きい方法を用いなくとも完治させることが可能となる場合もあり、がんの治療における大きな希望として見なされています。

またすでに進行してしまったがんに対しても手術や抗がん剤治療と並行して遺伝子治療を行うことにより、それらによってもたらされる身体への負担をより小さくしていくことが可能であると見なされています。

特に抗がん剤治療に関しては副作用が大きく、その治療によって身体が大きなダメージを受けてしまうという場合も少なくないのですが、遺伝子治療を行うことにより抗がん剤の量を減らしそのダメージを軽減させるため非常に大きなメリットがあると期待されているのです。

遺伝子治療の方法は主に注射や点滴であり、それらを通じてがん細胞の抑制機能を持つ遺伝子を直接体内へと送り込みます。このように方法としても非常に単純であるということも遺伝子治療の大きなメリットの一つとされます。

また卵巣がんの場合、がん細胞の元となるタンパク質の増殖を抑制する遺伝子が発見されており、さらなる治療法の革新が期待されています。

参考:『卵巣がんに対するAAV9遺伝子治療が動物実験で有望』米国国立がん研究所

このように遺伝子治療は卵巣がんをはじめとするがん治療において、従来の手術や抗がん剤などに代わる新たなスタンダードになり得る治療法として大変に注目を集めているのですが、その一方でまだ非常に新しい治療法であるため、未だ保険承認がなされていないという問題もあります。そのため遺伝子治療を行う場合にはその費用は全額自己負担となり、患者が莫大な費用を負担しなければならないというのが実情なのです。

卵巣がんの一般的な治療法

  • 外科的手術
  • 抗がん剤による化学療法
  • 放射線療法
  • 免疫細胞療法
  • 陽子線治療
  • 陽子線治療
  • 重粒子線治療

初期治療にもリスクはある

卵巣がんの手術は、卵巣・子宮の摘出と皮膚組織「大網(たいもう)」の切除が基本となっています。その理由は、子宮や大網は転移しやすい部位であるため。卵巣だけにとどまっているように見えるがん細胞も、切除した部位を顕微鏡で検査すると転移しているケースがよくあります。

しかし、若い女性の場合は、子どもが産めるようにしたい!という理由から片側の卵巣や子宮を残す場合があります。手術をする前には、医師と再発のリスクについて話し合いましょう。

抗がん剤治療では、副作用のリスクが低いカルボプラチンを使用。しかし、カルボプラチンは骨髄の働きを抑制してしまうため、感染症にかかりやすくなります。また、投与してから経過した時間や時期によっても症状が異なり、開始から24時間で吐き気や嘔吐に襲われることも。7日から数週間後には、発熱や腎機能・肝機能の低下などの症状が現れます。そのほか、白血球が減少し、感染しやすくなる「骨髄抑制」を発生する可能性があるため、合併症にも注意が必要です。

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