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腫瘍マーカーの種類

がんを調べる検査の中に、血液で調べる腫瘍マーカーというものがあります。ここでは、腫瘍マーカーの概要と検査でわかることをご紹介します。

血液検査で調べる腫瘍マーカーってなに?

がん腫瘍マーカーとは、がん腫瘍が作り出す特殊なタンパク質のこと

人の体の中でも微量に作られる物質ですが、がん腫瘍ができると血中で増加する傾向があるため、がん検診などでは必ず利用されています。

腫瘍マーカーは、大きな腫瘍であればあるほどたくさん検出されます。

しかし、がんの種類によっては、大きな腫瘍でもほとんど作らない場合もあります。そのため、がん検査においては、あくまで指標のひとつとして利用されているのです。

ほかにも、腫瘍マーカーはがん治療をした人であっても、治療の経過を調べることが可能です。

【腫瘍マーカーの概要】

  • 腫瘍マーカーとはがん細胞が作るタンパク質のことで、がん細胞が増加するとタンパク質の血中濃度が高くなる
  • 血液検査をすればがんの有無、進行具合、治療内容などを予測できる
  • 腫瘍マーカーには基準値があり、それを超えた場合、がんの精密検査へ移行する
  • 血液検査は精度が高いわけではない。早期のがんだと陽性反応が出ないことがある
  • 良性の腫瘍、慢性肝障害、腎障害などほかの病期でも反応を示すことがある
  • がん検診では、この腫瘍マーカーによる血液検査だけではなく、ほかの検査と合わせて総合的に判断する

腫瘍マーカーの種類

1.CA125(糖鎖抗原125/とうさこうげん125)

診断できるがん:卵巣がん・乳がん・膵臓がん・肺がん

基準値:35U/ml~100U/ml。500U/ml以上でがんが疑われる

特徴:女性の子宮内膜や卵巣嚢胞、卵管などでごくわずかに生産される糖タンパク。がんになると大量に分泌されることがあるため、婦人系の疾患でよく用いられる。卵巣がんのほかにも、子宮内膜症や子宮腺筋症などの診断も行える。

2.CA19-9(糖鎖抗原19-9)

診断できるがん:卵巣がん・乳がん・大腸がん・肝臓がん・胃がん・膵臓がん・胆道がん・肺がん

基準値:37U/ml~100U/ml

特徴:唾液腺や消化管、膵管、胆管、気管支腺、子宮内膜などの細胞にある「シリアルルイスA糖類」の一種。卵巣がん、卵巣腫瘍、子宮内膜症のほか、膵臓や胆道などの消化器官のがんで高い数値が検出される。

3.CEA(癌胎児性抗原/がんたいじせいこうげん)

診断できるがん:子宮がん・卵巣がん・乳がん・大腸がん・膵臓がん・胆道がん・胃がん・肺がん

基準値:5.0ng/ml以下。数値が2倍以上検出されればがんの疑いがある

特徴:胎児の消化器の粘膜組織にあるタンパク質。消化器系のがんや肺がんなどの検査でもよく用いられる。がん以外にも、肝硬変や肝炎、膵炎、腎不全、甲状腺機能低下症などでも数値が高くなることがある。

4.α-フェトプロテイン(AFP)

診断できるがん:卵巣がん・肝臓がん・胃がん・膵臓がん・胆のうがん・大腸がん・肺がん

基準値:10.0ng/ml以下。3000ng/ml以上だと肝がんが疑われる

特徴:胎児期の肝臓で多く作られるタンパク質。成長につれて体内で作られなくなるが、肝細胞がんや卵巣がんに罹ると再び多く作られるようになる。また、妊娠後期や肝炎、肝硬変によっても作られるので、検査でこのタンパク質が検出された場合は、精密検査でがんかどうかを見極める必要がある。

5.PSA(前立腺特異抗原/ぜんりつせんとくいこうげん)

診断できるがん:前立腺がん

基準値:4.0ng/ml以下。10.0ng/ml以上でがんが疑われる。

特徴:尿道周囲と前立腺の上皮細胞から作られる糖タンパク。血中の分泌量から前立腺がんの有無を調べられるほか、前立腺肥大症や前立腺炎などの検査も受けられる。

気になる費用について

腫瘍マーカーを調べる検査を受ける方法は、定期検診や人間ドックなどの血液検査でオプションとして依頼することです。

費用は一項目につき2000円。つまり、上記5つの腫瘍マーカーのどれかを調べてほしい場合、一項目につき2000円の費用を追加で払わなければなりません。

負担額は、決して安いとはいえません。しかし、定期検診などと一緒に依頼することや、特定のがんを調べるためマーカーをセットで検査する、といった方法により負担額を割引してもらえます。腫瘍マーカーを調べたいと考えている場合は活用しましょう。

検査の精度は?

ここまで腫瘍マーカーの有用性について記載してきましたが、実際のがん発見の精度がどれほど高いのか、疑問に思っている人もいるでしょう。

実は、現在使用されている腫瘍マーカーは精度がそれほど高くないため、医療現場ではこの腫瘍マーカーの結果をあまり重視していないのです。

医療現場では、腫瘍マーカーを「早期発見」のために利用するのではなく、「スクリーニング」と「がん治療の効果確認」のために利用します。

スクリーニングとは、がん検診などを受ける患者さんを対象に、がんかどうかを検査によって一人ずつふるいにかけていくことです。

つまり、腫瘍マーカーで陽性が出たとしても、医療現場ではがんのリスクが高いかどうかを調べる参考にしか利用しないため、腫瘍マーカーだけでがんの有無を判断することはできないのです。

たとえ腫瘍マーカーで陽性反応が出たとしても、各種検査の結果がんに罹っていないと診断されることもあります。

腫瘍マーカーの結果だけでがんの早期発見をすることは難しいですが、念のため利用したいと考えているなら、任意で受けてみてもよいでしょう。

血液検査の研究が進められている

現在利用されている腫瘍マーカーは、まだ精度の面で問題はありますが、血液検査によってがんを検査する研究は国内外でも進められています。

たとえば、一度の採血で何種類もの早期のがんを検査できる「アミノインデックス」。ほかにもまだ実用化はされてはいないものの、たった一滴の血液で100%がんを判別できた「プロテオチップ」の研究もされています。

さらに、最近では尿を用い、線虫によってがんの有無を高精度で調べる「N-NOSE」などの検査方法も注目されています。

将来的には発見が困難であるステージ0のがんの発見もできると期待されているのです。

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